漫画『カラオケ行こ!』和山やま(著)

漫画

あらすじ

中学の合唱部部長の聡実は、合唱コンクールの日に狂児というヤクザに、歌を教えてくれないかと頼まれる。

その日から毎週末聡実は狂児にカラオケ店へ拉致され歌の指導を行うことに…。

そして、狂児の絶対に歌がうまくならないといけない理由とは…?

感想(ネタバレ含む) 

表紙を見ると、ヤクザ×中学生×カラオケ……

…どういう脈絡???

違和感の掛け算で構成された表紙が気になってしょうがない。

ヤクザに歌必要か?

…という疑問を持ちながら読み始めると、一気に読破してしまった。止まらなかった。

まず、一般的に15歳(聡実)の中学生と39歳(狂児)の大人が何らかの関係性を持つのもアレなのに更にヤクザって全然穏やかじゃないよね。けれども、話が進むにつれてお互いが対等な関係性を築いていて、読んでいて気持ちのよいストーリーだった。

一口にヤクザといっても、いざその世界を覗いてみると、酒アレルギーのヤクザ、絶対音感ヤクザ、キティちゃん恐怖症ヤクザ…など、その職業とのギャップを感じるキャラクターがいい味を出しててよかった。三代目米津玄師や父親がくれた謎のお守りといった小ネタのギャグもシュール系で、じわじわくる面白さ。

自分の歌に自信が持てなく、歌を指導した他のヤクザに凄まれて号泣して土下座までしていた聡実が、絶対に行くなと忠告されていた組長の愛人のスナックで開催されたカラオケ大会に独りで乗り込み、狂児のために、狂児の勝負の歌である紅を歌う姿は感動ものです。そりゃあ組長も号泣するわ。

個人的には、聡実が狂児のために歌った鎮魂歌で蘇った(?)狂児、髪型がちょい乱れ気味でかっこいい…大人の色気っていう感じが出ててはちゃめちゃ好みです…!!

最後にはこの話の前日譚として、狂児がヤクザになるきっかけのエピソードなどが掲載されていて、読むと本編との繋がり、伏線回収の内容なので、満足度が一気に高まりますね。

まとめ

  • ストーリー全体の起承転結がはっきりしていて読後感が良い
  • 少年(聡実)の心の葛藤や成長の過程に心を動かされる
  • 最後の描き下ろしは必読!

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